「Dialpadの文字起こし、月額3,000円になりますよね?」

きっかけは、Zoho CRMを導入いただいているお客様からの一言でした。

「電話の内容をAIで文字起こし・要約してZoho CRMに自動で残したい。でも、Dialpadでそれをやろうとすると Connect AI Pro で月額3,000円/ユーザー。10人だと月3万円、年間36万円。ちょっと高くないですか?」

DialpadはZoho CRMとの純正連携があり、通話ログ・録音・AI文字起こしまで自動でCRMに投稿できる優秀なクラウドPBXです。ただ、日本の料金体系では AI機能付きプランと非AIプランが明確に分かれており、文字起こしを使うには上位プランが必須になります。

この記事では、その相談を起点に調べた内容を整理します。

  • Dialpadの各プランで何ができて、何ができないのか
  • Zoho CRMに通話記録・文字起こし・AI要約を連携するために必要なプランと料金
  • 代替として浮上した Zoom Phone の最安プラン(月額1,659円) で本当に同じことができるのか

結論から言うと、Zoom Phoneの日本従量制プラン(¥1,659)で、録音・全文文字起こし・AI通話サマリー・Zoho CRM連携がすべて追加費用なしで使えます。 ただし「AI要約をCRMに自動で書き戻す」部分だけは小規模な連携開発が必要です。順に解説します。

※本記事の料金は2026年9月時点の各社公式サイト(税抜)に基づきます。最新の金額は必ず公式ページでご確認ください。

Dialpadの料金プラン|文字起こしは「Connect AI」以上が必須

Dialpadの日本向け料金(月額/ユーザー・税抜)は次のとおりです。

プラン Connect(非AI) Connect AI
Standard ¥1,000 ¥2,500
Pro ¥1,500 ¥3,000
Enterprise ¥2,000 ¥3,500

※ 0AB-J番号(03・092など)を使う場合は Dialpad Air 0AB-J ¥500/月が別途必要。

ここで押さえておきたいポイントが3つあります。

1. AI文字起こし・要約は Connect AI プランでのみ生成される

Dialpad AI(文字起こし・要約・アクションアイテム抽出)は Connect AI プランの機能です。非AIの Connect プランでは、通話ログと録音は残りますが、文字起こしデータそのものが生成されません。 APIを叩いても、CRM連携を設定しても、存在しないデータは取り出せません。

次の図は、この「文字起こしが上位プランにだけ存在する」構造を示したものです。下段(非AIプラン)には通話ログと録音しかなく、上段(Connect AI)で初めて文字起こしが生成されます。

Dialpadのプラン構造のイメージ。非AIプランには通話ログと録音のみが残り、AI文字起こしはConnect AIプランでのみ生成される

2. Zoho CRM純正連携・APIは Pro 以上

Zoho CRMとの純正連携とAPIキーの発行は、Connect/Connect AI ともに Pro以上 が条件です。つまり「文字起こしをZoho CRMに自動投入」を実現する最低ラインは Connect AI Pro ¥3,000 になります。

3. 日本語のAI要約はベータ提供

文字起こしは日本語対応していますが、要約機能は執筆時点でベータ扱いです。実運用では精度の確認が必要です。

補足:海外記事との違いに注意 「DialpadのAI機能は全プランに含まれる」という海外記事を見かけますが、これは米国の料金体系の話です。日本では Connect と Connect AI が別プランとして提供されています。

「非AIプラン+自前で文字起こし」は現実的か

Connect Pro(¥1,500)で録音だけ取得し、自前の音声認識(STT)とLLMで文字起こし・要約を作る構成も検討しました。

構成イメージは「Dialpadのイベント通知 → 中継サーバー → 録音MP3取得 → STT → LLM要約 → Zoho CRMへ書き込み」です。

項目 目安
構築工数 40〜60時間(約1か月)
ランニング(10名・月2,000分) STT+LLM+インフラで月5,000〜13,000円
Connect AI との差額 月15,000円(¥1,500×10名)

ランニングだけ見れば差額以内に収まりますが、録音生成タイミングのずれ、転送時のファイル分割、電話番号の表記揺れなど、運用上の細かい対応が積み上がります。 「文字起こしをCRMに残す」という目的に対して、構築の重さが釣り合わない印象でした。

他のクラウドPBXはどうか

Zoho CRMへの文字起こし連携を軸に、国内主要サービスも比較しました。

サービス 月額/ユーザー(税抜) 文字起こし/AI要約 Zoho CRMへの書き戻し
Dialpad Connect AI Pro ¥3,000+番号料 あり/あり(要約はベータ) 純正連携で自動
Zoom Phone 日本従量制 ¥1,659 あり/あり 通話ログは純正、要約は要開発
Zoom Phone グローバルセレクト ¥3,476(国内通話無制限) あり/あり 同上
CallConnect Basic ¥4,600〜+文字起こし従量 あり/要確認 文字起こしを活動に自動出力
MiiTel Phone ¥5,980〜 あり/あり 自動連携
BIZTEL/MOT/TEL 等 なし CTI連携のみ

MiiTelは機能が充実していますが単価が高く、CallConnectは文字起こしが従量課金で通話量によっては読みにくい。価格面で頭ひとつ抜けていたのが Zoom Phone の日本従量制プランでした。

Zoom Phoneの料金プラン|最安の「日本従量制」で何ができるか

Zoom Phoneの日本向け公式価格(年間一括払い・税抜)は2種類です。

プラン 月額/ユーザー 個人番号 国内通話
日本従量制 ¥1,659 050番号込み 従量課金
グローバルセレクト ¥3,476 050 または 0AB-J 無制限

日本従量制プランのハイライトには「050番号」「コールレコーディング」が明記されており、ライセンスに録音機能が含まれます。

そして、この記事の核心がここです。

AI通話サマリーは「有料のZoom Phoneプラン」なら使える

Zoom公式サポート記事「Enabling Call summary with AI」に記載された要件は次のとおりです。

  • Phone込みのZoom Workplaceライセンス、または単体のZoom Phone通話プラン
  • アカウント内にZoom Phoneの有料ライセンスがあること
  • 管理者権限

プランの上下は問われていません。 最安の日本従量制でも、AI通話サマリー(旧AI Companion)は追加費用なしで有効化できます。対応言語一覧にも「Call summary:Japanese」が明記されています。

録音の全文文字起こしも同じ条件

自動通話録音の要件も「Phone込みのZoom Workplaceライセンス、または単体のZoom Phone通話プラン」。管理画面で Automatic Call Recording をONにし、Allow call recording transcription にチェックを入れるだけで、録音に全文文字起こしが付きます。こちらも追加費用はありません。

注意:文字起こしは設定ON以降の録音にしか付きません。過去録音への後付け生成はできないため、本番切替前に必ず有効化しておきます。

AIサマリーの中身

サマリーは「概要(Quick recap)」「要点(Key Points)」「本文(Summary)」「次のアクション(Next Steps)」の4ブロック構成。5〜10分の営業電話で日本語300〜800字程度が目安です。発言者ごとの細かいやり取りは落ちるので、証跡として残したい場合は全文文字起こしを併用します。

Zoom Phone × Zoho CRM 連携の仕組み|通話ログは無料、要約は要開発

Zoho CRM側には PhoneBridge という電話連携の枠組みがあり、Zoom Phone用のコネクタが用意されています。ライセンス費用は不要です。

連携は2層に分かれます。次の図のように、通話ログは純正連携で直接CRMへ届き(上のライン)、AIサマリーだけは小さな中継サーバーを経由してCRMの通話レコードに書き戻します(下のライン)。

Zoom PhoneとZoho CRMの連携構成のイメージ。通話ログは純正連携で直接CRMへ、AIサマリーはWebhookを受ける中継サーバーを経由して通話レコードに書き戻す

層A:純正連携(開発不要・¥0)

Zoho CRMの「設定 → チャネル → 電話連携」からZoom Phone for Zohoをインストールし、Zoomアカウントを認可、ユーザーと電話番号をマッピングするだけ。通話が終わるたびにCRMの「通話」レコードが自動作成されます。Zoom側の通話IDがレコードに保存されるので、後述の要約連携でも確実に紐付けできます。

層B:AIサマリーの書き戻し(追加開発)

ここだけは純正連携でカバーされていません。仕組みはシンプルで、

  1. Zoomの「サマリー生成完了」Webhookを受け取る
  2. Zoom APIでサマリー本文を取得
  3. 通話IDでZoho CRMの通話レコードを特定
  4. Descriptionにサマリーを書き込む

という中継サーバー(Cloud Run等)を1本置く構成です。ゾーホージャパンも2026年5月にこの方式の導入支援メニューを発表しており、ZVC JAPANのエンジニアによる実装例も公開されています。技術的な不確実性はほぼありません。

工数 目安
Zoom側設定+Zoho側設定 4〜6時間
中継サーバー構築(本番化含む) 8〜12時間
テスト・運用移行 5〜8時間
合計 19〜29時間(約2週間)
全文文字起こしも格納する場合 +3〜5時間

Dialpadの「非AI+自前構築」案(40〜60時間)と比べて半分以下です。文字起こし・要約の生成をZoom側に任せられるので、作るのは「運ぶ部分」だけで済むためです。

料金比較|10ユーザーで年間16万円の差

Dialpad Connect AI Pro と Zoom Phone 日本従量制は、どちらも国内通話が従量制です。通話料はおおむね相殺されるため、実質的な差は ライセンス単価の差 ¥1,341/ユーザー/月 になります。

Dialpad Connect AI Pro Zoom Phone 日本従量制
ライセンス(10名) ¥30,000/月 ¥16,590/月
年額 ¥360,000 ¥199,080
AI文字起こし・要約 込み 込み
Zoho連携(通話ログ) 純正 純正(PhoneBridge)
Zoho連携(AI要約) 純正 要開発(19〜29h)
連携サーバー 不要 月500〜1,000円程度

年間 約16万円 の差額があるので、初回の連携構築費を乗せても、多くのケースで1年以内に回収できる計算です。

同じ機能(録音・文字起こし・AI要約)を持ちながら、ライセンス費用だけが大きく違う。この差額が連携構築費の原資になります。

Dialpad Connect AI ProとZoom Phone日本従量制のライセンス費用比較のイメージ。提供機能は同等だが、月額単価の差が年間約16万円の差になる

一方で グローバルセレクト(¥3,476)はDialpadより高い ので、国内通話が非常に多い(1人あたり月300〜400分以上が目安)場合に限って選ぶプランになります。

判断のポイント|どちらを選ぶべきか

Zoom Phone 日本従量制が向いているケース

  • ライセンス費用を抑えたい
  • 電話・Web会議・チャットをZoomに一本化したい
  • 要約のフォーマットを自社の営業プロセスに合わせて調整したい(自前連携なら自由に加工できる)
  • 電話番号の表記揺れに悩まされている(通話IDで紐付けるため影響を受けない)

Dialpad Connect AI が向いているケース

  • すでにDialpadを使っていて、番号移行や操作の習熟コストを避けたい
  • 連携開発を一切持ちたくない(純正連携で要約投入まで完結)
  • SoftBankとの既存契約にまとめたい

契約前に確認しておきたいこと

Zoom Phoneを選ぶ場合、次の点は事前に押さえておくと安全です。

  • 日本アカウントでAI通話サマリーが実際に生成されるか(公式には「一部地域・業種では提供されない場合がある」との注記あり。無料トライアルで実通話を1〜2本試すのが確実
  • 録音文字起こしの日本語品質(対応言語がサマリーと別扱いのため、同じくトライアルで確認)
  • 国内通話の分単価(固定/携帯)をDialpadと同条件で見積取得
  • 0AB-J番号が必要か、番号ポータビリティの可否
  • 録音告知ガイダンスの文言と社内規程

まとめ

  • Dialpadで文字起こしをZoho CRMに連携するには Connect AI Pro ¥3,000 が最低ライン
  • Zoom Phoneは 最安の日本従量制 ¥1,659 で、録音・全文文字起こし・AIサマリーが追加費用なしで使える
  • Zoho CRMへの通話ログ連携は無料の純正連携で完結、AIサマリーの書き戻しだけ 19〜29時間 の小規模開発が必要
  • 10ユーザーで 年間約16万円 のライセンス差。構築費を含めても1年以内に回収できる見込み

「電話の内容をCRMに残す」という目的なら、Zoom Phoneの最安プランは十分に現実的な代替です。

etikaでは Zoom Phone × Zoho CRM 連携の構築を支援しています

株式会社etikaは福岡を拠点とするZoho認定パートナーです。今回ご紹介した「Zoom Phone → Zoho CRM AIサマリー自動連携」の設計・構築・運用サポートまで対応しています。

  • 現在の電話環境からの移行設計
  • PhoneBridge設定とユーザーマッピング
  • AIサマリー・全文文字起こしのZoho CRM書き戻し連携の構築
  • 要約フォーマットの営業プロセスに合わせたカスタマイズ

DialpadやMiiTelからの乗り換え、あるいは「まずはトライアルで試したい」というご相談もお気軽にどうぞ。

無料相談

Zoom Phone × Zoho CRM の通話文字起こし・AIサマリー連携について、現在の電話環境をもとに構成と費用の見立てを無料でご相談いただけます。

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参考リンク(公式)

よくある質問

Zoom Phoneの最安プランでAI要約は本当に使えますか?

Zoom公式の要件は「有料のZoom Phone通話プラン+管理者権限」のみで、プランの上下は問われていません。日本従量制(月額1,659円)でも有効化できます。ただし日本アカウントでの提供はトライアルで実際に確認することをおすすめします。

Zoho CRMとの連携に追加費用はかかりますか?

Zoho CRMのPhoneBridge(Zoom Phone用コネクタ)は無料です。必要なのはZoho CRMの有料プラン(Standard以上)とZoom Phoneライセンスのみです。AIサマリーの自動書き戻しは別途連携開発が必要です。

Dialpadの非AIプランで文字起こしはできませんか?

できません。日本のDialpadでは文字起こし・要約はConnect AIプランでのみ生成されるため、非AIプランではAPIや連携を使っても取得できるデータが存在しません。

過去の通話も文字起こしできますか?

Zoom Phoneの録音文字起こしは設定ON以降の録音にのみ付与されます。本番切替前に必ず有効化してください。